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SBI・楽天証券の相続手続き:ログイン不要の完全攻略マニュアル

店舗のないネット証券。電話が繋がらない、パスワードも不明...。Web完結または郵送での手続きルートと、大和・野村への移管可否一覧。

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目に見えない「株券」をどう探すか

近年、口座数が急増しているネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)。 手数料が安く便利な反面、相続となると「対面窓口がない」ことが最大の壁となります。 担当者が家に来てくれることはありません。すべて遺族が自分でやらなければなりません。

「パソコンのパスワードがわからない」 「どの株を持っているのかわからない」 「電話がいつかけても繋がらない」

こうした遺族の悲鳴に応えるため、実務上の「最短ルート」を解説します。 結論から言うと、「ログイン」は不要です。むしろ、してはいけません。


1. ネット証券お特有の「手続きの壁」

従来の証券会社(野村、大和など)と違い、ネット証券は手続きが特殊です。

「ログインして売却」は絶対NG!

多くの遺族がやりがちなミスですが、故人のIDとパスワードを見つけても、絶対にログインして売却注文を出さないでください。

  • 約款違反: 本人死亡後のアクセス・取引は、すべての証券会社で禁止されています。
  • 法的リスク: 死亡後の売却は、後日「無効」とされ、取引の取り消し(巻き戻し)を求められる可能性があります。
  • 相続争い: 勝手に現金化すると、他の相続人から「隠匿」や「着服」を疑われます。

正攻法は「移管(いかん)」一択

ネット証券の株や投資信託は、一度「相続人の証券口座」へ移し(移管)、相続人の名義になってから売却するのが唯一の正規ルートです。


2. 主要ネット証券の「死亡時連絡先」リスト

ネット証券のサイトは情報量が多すぎて、相続のページに辿り着くのが困難です。 以下に主要5社の窓口をまとめました。

証券会社 相続・死亡連絡先(名称) 特徴・注意点
SBI証券 相続サポートデスク カスタマーセンターとは別回線 Webフォームから資料請求可能。最もスムーズ。
楽天証券 カスタマーサービスセンター まずチャットサポート等で「死亡」と伝え、担当者からの指示を待つ。
マネックス証券 コールセンター(相続担当) 郵送手続きが基本。書類のやり取りに時間がかかる。
松井証券 松井証券顧客サポート 「相続・贈与係」へ繋いでもらう。
auカブコム証券 お客様サポートセンター au経済圏との連携確認が必要。

[Tips] 電話が繋がらない時の代替手段

  • 活用法: 多くの会社が「メールフォーム」「チャットボット」での資料請求を受け付けています。「会員死亡に伴う書面送付依頼」という項目を探して入力すれば、電話で待たされるストレスから解放されます。

3. 手続きの全体フロー:完了まで2ヶ月

Step 1: 資産の特定(残高証明書)

まずは「何を持っているか」を知る必要があります。

  • 死亡連絡と同時に「残高証明書(死亡日時点)」の発行を依頼します。これが遺産分割協議と相続税申告の基礎データになります。
  • 見るべき書類: 生前に届いていた「取引残高報告書」があれば、それでも代用可能です(※相続税申告には正式な証明書が必須)。

Step 2: 相続人の「受け皿口座」開設

これが最大のハードルです。 株を受け取るためには、相続人も「同じ証券会社」に口座を持っている必要があります。

  • : 故人がSBI証券なら、あなたもSBI証券に口座を作る必要があります。
  • 注意: 「特定口座(源泉徴収あり)」か「一般口座」か、区分の整合性を取る必要があります。基本的には、便利な「特定口座」を開設しておけば間違いありません。
  • 例外: どうしても口座を作りたくない場合、理論上は「他社移管(SBI→野村など)」も可能ですが、非常に手間と手数料(1銘柄数千円)がかかり、現実的ではありません。

Step 3: 遺産分割協議書の作成

「誰が」「どの株を」相続するかを決め、書面にします。

  • 「すべての株式を長男が相続する」
  • 「A社の株は長男、B社の投信は次男」

Step 4: 移管依頼書の提出

証券会社所定の依頼書に記入し、戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書をセットで送ります。

  • 不備がなければ、約2週間であなたの口座へ株が移動します。

4. 証券資産を特定する「鑑識眼」

「ネット証券を使っていたらしいが、どこの会社かわからない」 そんな時は、以下の痕跡を探します。

① 「ほふり」への開示請求

最も確実な最終兵器です。 「証券保管振替機構(ほふり)」に対して、故人の「登録済加入者情報」の開示を請求します(郵送手続、手数料数千円)。 これを行えば、日本国内の全証券会社の口座有無が一覧でわかります。

② メールの「電子交付」通知

故人のスマホやPCのメールボックスを検索します。

  • キーワード: 「電子交付」「売買報告」「配当金」
  • これらのメールが定期的に来ている会社には、確実に口座があります。

③ 銀行口座の履歴

  • 「振替 SBI」「カ)ラクテン」「マネックス」といった入出金履歴がないか探します。

5. 【FAQ】ネット証券特有のQ&A

Q. 持っていた株が暴落しています。手続き中に売れますか? A. 売れません。 死亡から移管完了までの数ヶ月間は、いかなる相場変動があっても「凍結」状態です。これはリスク資産を相続する宿命です。移管が完了した瞬間に売る準備をしておくしかありません。

Q. 「NISA口座」の株はどうなりますか? A. 「課税口座」に払い出されます。 故人のNISA(非課税)ステータスは引き継げません。あなたの口座に移る際は「特定口座(課税)」に入ります。 NISAの相続(Article 29) で詳しく解説します。

Q. 外国株(米国株)も相続できますか? A. できますが、面倒です。 米国株取引ができる口座を開設する必要があります。また、相続税評価額の計算で為替レート(TTM)の換算が必要になるため、税理士の手が必要になるケースが多いです。


6. まとめ:パスワード探しは時間の無駄

ネット証券の相続で最も時間をロスするのは、「パスワードが書かれたメモを探す時間」です。 しかし、正規の手続きにおいてパスワードは1ミリも必要ありません。 必要なのは「戸籍」「あなたの口座」だけです。

  1. 死亡連絡をする(Web/電話)。
  2. 自分の口座を作る(同じ証券会社で)。
  3. 移管書類を送る。

この3ステップを淡々とこなすのが、最短の解決策です。

証券口座が片付いても、安心はできません。 そこには「NISA」「iDeCo」という、税金の落とし穴が待っています。 NISA・iDeCoの死亡時課税ルール(Article 29) へ進みましょう。

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相続のプロ
解説をお読みいただきありがとうございます!
全体の流れがつかめたら、次は実際に手元にある通帳やカードの手続きに進みましょう。
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