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クレジットカードの「借金・リボ払い」相続の完全対策マニュアル

「父のカード明細を見たらリボ残高が200万円もあった」。一括請求の恐怖、家族カードの誤使用リスク、そして借金を消滅させるための消滅時効の援用。

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⏱️ この記事の読了目安: 約6分

そのカード、ハサミを入れる前に確認しましたか?

相続手続きにおいて、クレジットカードは「時限爆弾」です。 財布に入っていたゴールドカード。生前は父のステータスの象徴だったかもしれませんが、死後は単なる「借金の証拠」になり得ます。

  • リボ払いの残高
  • キャッシングの借入金
  • 未払いのショッピング代金
  • 分割払いのスマホ端末代

これらは全て「負の遺産(相続債務)」として、相続人が引き継ぎます。 しかも、カード規約特有の「一括返済条項」が、遺族の家計を直撃します。

本記事では、クレジットカードに潜むリスクの洗い出し方と、正しい解約・返済の道筋を、法的根拠と文書テンプレートを交えて解説します。


1. 督促状が届いて初めて気づく「リボ払い残高」

リボ払いの罠

高齢者が仕組みをよく理解せず、「月々5,000円のお支払い」などのリボ設定をしてしまっているケースが多発しています。

  • 通帳の引き落とし額は毎月1万円程度なので、周囲は気づきません。
  • しかし明細(Web明細)を開くと、利用残高が天井(限度額100万円など)に張り付いており、毎月の支払いの大半が「利息(手数料)」に消えている状態です。
  • 確認法: カード裏面の電話番号にかけ、自動音声で「現在の利用残高」を確認してください。

期限の利益喪失(Acceleration Clause)

カード会員規約には必ずこう書かれています。 「会員が死亡した場合、一切の債務について期限の利益を喪失し、直ちに全額を支払わなければならない」

つまり、生前は「月々1万円」でのんびり返せていた借金も、死亡した瞬間に「残りの200万円を今すぐ耳揃えて払え」という請求に変わります。 これが遺族をパニックに陥れます。


2. まずやるべき「信用情報(CIC)」の開示

「父が何枚カードを持っていたかわからない」 「どのカードに残債があるかわからない」

そんな時は、家探しをするよりも「CIC(シー・アイ・シー)」に情報開示請求をするのが最短ルートです。

CIC開示で見えるもの

CIC(指定信用情報機関)には、日本国内のほぼ全てのクレジットカード・ローン契約情報が登録されています。

  • 契約中のカード会社名
  • 極度額(限度額)
  • 残債額(今の借金): ここが重要。「残債額」が「0円」なら安心です。
  • 支払い状況(延滞の有無): 「異動」情報があればブラックリスト入りしています。

開示の手順

  1. 郵送開示: 故人の戸籍謄本と、相続人の身分証を添えて郵送で申し込みます(Web開示は本人しかできないため不可)。
  2. 手数料: 1,000円程度(定額小為替など)。
  3. 到着: 約10日後に「信用情報開示報告書」が届きます。これを見れば、隠し借金も、過去に作った休眠カードも全て白日の下に晒されます。
    • ※JICC(消費者金融系)、KSC(銀行系)も合わせて開示すれば完璧です。

3. カード解約の重要性と「家族カード」の落とし穴

解約手順のステップ

  1. 電話連絡: カード裏面のコールセンターへ。「会員が死亡したので解約したい」と伝えます。
  2. 死亡確認: 口頭で済む場合と、除籍謄本のコピー送付を求められる場合があります。
  3. 残債精算: 未払い分があれば、振込用紙が郵送されてくるか、指定の口座から最後に一度だけ引き落とされます。
  4. 物理破壊: ICチップ部分にハサミを入れ、復元できないようにして廃棄します。

⚠️【危険】家族カード・ETCカードの事故

本会員(父)が亡くなると、紐付いている家族カード(母や妻が所持)も、その瞬間に使用権限を失います。

  • シナリオ: 母がスーパーでいつものように家族カードを出したら、「このカードは無効です」とレジで止められた。
  • リスク: それだけなら恥をかくだけですが、もし知らずに使い続けてしまうと、後日カード会社から「不正利用」として損害賠償を請求される恐れがあります。また、ETCカードが車に入ったままだと、高速道路のゲートが開かずに衝突事故を起こす危険性もあります。
    • 鉄則: 死亡当日に、家族全員分のカードを回収・裁断してください。

4. ポイントは相続できるか?(JAL/ANAの救済)

原則:失効

一般的なクレジットカードのポイント(楽天ポイント、Vポイント、Oki Dokiポイント等)は、「本人死亡により失効」が原則です。 相続手続きにおいて、これらのポイント価値はゼロとみなされます。

例外:航空系マイレージ

JALカードやANAカードで貯めたマイルは、所定の手続きを踏めば相続(家族への合算)が可能です。


5. 【FAQ】カード借金対策の実践Q&A

Q. リボ払い残高が高すぎて一括返済できません。 A. 分割交渉は可能です。 規約上は一括返済ですが、遺族に資力がない場合、カード会社も「回収不能」になるよりはマシと考え、分割払いの継続に応じることがあります。 「相続しましたが、手元資金がなく一括は無理です。従来の分割条件(月々払い)で引き継がせてください」と交渉してください。これが通れば、毎月支払っていくことになります。 ※ただし、もし借金総額が遺産より多いなら、交渉などせずに「相続放棄」をすべきです。

Q. 故人の口座から最後の引き落としがされてしまいました。 A. 問題ありません。 正当な債務の弁済であれば、相続財産からの支出(保存行為・弁済)として認められます。ただし、その後に相続放棄を検討している場合は、「財産の処分」とみなされるリスクがあるため、微妙なラインです。放棄の可能性があるなら、銀行口座を凍結させて引き落としを止める(不能にする)のが安全です。

Q. 未使用の年会費は返ってきますか? A. 戻りません。 死亡退会であっても、払い済みの年会費の日割り返還は行われないのが通例です。逆に、更新月の直前に亡くなった場合、解約が遅れると翌年分の会費(数万円)が引き落とされてしまうため、スピード勝負です。

Q. 過払い金があるかもしれません。 A. 調査する価値はあります。 故人が20年以上前からキャッシングを利用していた場合、「過払い金」が発生している可能性があります。これは「プラスの遺産」です。専門家(司法書士等)に調査を依頼すれば、借金がゼロになるどころか、お金が戻ってくることもあります。


6. 送付用テンプレート:解約・停止依頼

どうしても電話が繋がらない、あるいは証拠を残したい場合の通知書テンプレートです。

通知書(クレジットカード解約依頼)

〇〇カード株式会社 御中

被相続人(会員)の死亡に伴い、下記クレジットカード契約の解約を通知します。
なお、家族カード、ETCカードを含むすべての付帯サービスについても、本日をもって利用を停止してください。

記

1. 被相続人(会員)
   氏名:〇〇 〇〇
   生年月日:昭和〇年〇月〇日
   死亡日:令和〇年〇月〇日
   住所:〇〇県〇〇市...
   カード番号:**--**-1234(不明な場合は記載なし)

2. 届出人(相続人)
   氏名:〇〇 〇〇
   住所:〇〇県〇〇市...
   電話番号:090-**-**
   続柄:長男

3. 添付書類
   死亡の事実が記載された除籍謄本(写し)

以上

7. まとめ

クレジットカードの処理は、スピードと正確性が命です。 1枚でも処理を忘れると、翌年の年会費が発生したり、不正利用のリスクが残ります。

まずはCIC開示で「敵(借金)」の数を知り、それから各個撃破(解約)していく。 このプロセスを確実に行ってください。

カードの次は、カードで溜まったポイントの処理です。 ポイント・マイレージの相続(Article 25) へ進みましょう。

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相続のプロ
解説をお読みいただきありがとうございます!
全体の流れがつかめたら、次は実際に手元にある通帳やカードの手続きに進みましょう。
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